SIXX:A.M. / This Is Gonna Hurt、Modern Vintage

sixx-am-this-is-gonna-hurt
sixx_am
BAND : SIXX:A.M.
TITLE :This Is Gonna Hurt
TITLE :Modern Vintage

モトリークルーのリーダー、ニッキー・シックスの別バンドSIXX:A.M.の新作と前作。モトリークルーが夜ならニッキーの別な面を表現したSIXX:A.M.は午前中って事?ニッキー・シックスとメンバーのDJアシュバのA、James MichaelのMでSIXX:A.M.?Brides of Destructionのせいかもしれませんが、過去の栄光にすがった大御所が若者を起用して新しい音で古いアイディアを使い回した若作りバンドのイメージで敬遠してましたが、食わず嫌いもなんだし、新作の好レビューがやたら目についたので軽い気持ちでポチりました。車で言うとエスカレードやナビゲーターのようなアメリカンマッチョという言葉がピッタリな、とてもわかりやすいメロディーとゴージャスな音作りでまったく想像通りでしたが、最近こういうのを聴いていなかったからやけに染みます。期待が薄かったからかな?NickelbackやDisturbed、GODSMACK、HOOBASTANKのような男らしさと哀愁を感じさせるメロディーにヘヴィな音。DJアシュバのツボを心得たギターが適度に絡みます。こういう曲にピッタリな少しハスキーで低音から力んでも細くならない高音まで表現自在なVo。ニッキーが作曲家として成熟しちゃうとヴィンスの特徴的な声では合わないもっと普遍的な曲がたくさん出来ちゃうんでしょうね。どちらも捨て曲が少ない良アルバムです。時には何も考えずこういうスケールの大きいアリーナロックに埋もれるのも心地よいですね。1stも買おう〜っと。

MOTLEY CRUE / Too Fast for Love

motley-crue-too-fast-for-love-aotd

BAND : MOTLEY CRUE
TITLE : Too Fast for Love

LA METALの代表格MOTLEY CRUEが解散。ヴィンスが抜けたりトミーが抜けたり復活したりデブって老けたりパッとしないアルバム続いたりで最近は若い頃の栄光で集金ツアーしてるイメージだったので急に「トップのままで解散したい」と言われても、は?って感じですがきっとアメリカなどではまだまだ人気なのでしょう。オリジナルメンバー的には初のベストDECADE OF DECADANCEまでが全盛期と思っていますが一番モトリークルーらしいアルバムと言われればダントツでファーストです。演奏や曲は稚拙ですが如何わしさと若さ故のパワー、勢いがみなぎっています。一聴しただけでトミーリーとわかるドタドタしたドラムにニッキーの臭いメロディアスな曲、そこにミックマーズのイーヴィルなギターが乗ると途端にワイルドになります。とどめに発情期の猫のようなヴィンスの声が乗ればモトリーサウンドの出来上がり。この頃のヴィンスの歌い方は危なっかしさの中に色気があってほっとけません。1stアルバム1曲目にしてモトリークルーを代表すると言ってもいいLive Wireで掴みはバッチリです。音は籠っていて練習スタジオで録音したテープを少しマシにしたような音像ですが、それがまた如何わしくていいんです。これはリマスターとかしちゃうと絶妙なバランスで成り立っている危険な香りが薄れてしまいます。2曲目以降はグンとレベルダウンして稚拙な曲が続きます。ほんとに同じ頃に作った?ってレベルです。なんかダサいタイトルをとにかく繰り返しています。あとほんと下手です。しかし荒削りな中に何か引っかかるフックが満載でこの頃からニッキーの作曲センスは光っています。ジャケットも素晴らしい。ストーンズの名作Sticky Fingersの約10年後、ストーンズより激しいぜとばかりにオマージュかましたレザーパンツの股間アップジャケで出発するセンス。彼らはこのアルバムをインディーズで売りメジャーに勝負を掛けてすぐに人気爆発しました。ルックスも黒髪3人にボーカルだけ金髪、ほぼみんなイケ面で破れたレザーや網タイツ、化粧やスプレーで膨らませた長髪、毒々しくてケバい臭いがプンプンで最高です。元気がでるテレビのヘビメタシリーズにはモトリークルーになりたそうなジャパメタやろうがいっぱい出ていましたね。バーバラアキタダとかまんまヴィンスでした。

なんとメタリカと結成年は一緒なんですね。メタリカは女にモテないヤンキーと音楽オタクが始めたようなバンドでモトリークルーはクラスで一番目立つチョイ悪モテグループが勢いで始めたようなバンドですね。なので売れる初速は早かった。その後、オタクに追いつかれやや追い越された感もありますが、クラスで一番目立っていたプライド、センスから必死にその時々の流行を察知し取り入れつつ万人にわかりやすいHRでここまでやってまいりました。そんな彼らもとうとう卒業の時です。